JSNHC
Japan Society of Nursing and Health Care
JSNHC
Japan Society of Nursing and Health Care
日本看護医療学会はJANA(日本看護系学会協議会)の会員学会です。
日本看護医療学会 理事長
石黒 彩子(いしぐろあやこ)
わが国は、世界一の長寿国家としてWHOにも認定される誇るべき国家ですが、近年急速に少子・高齢社会に移行しつつあります。社会構造が変化する中で、医療費をはじめとして,在宅ケア,小児の健全な育成などの問題が深刻化しています。特に、ドイツに次いで世界で2番目に開始が計画されている介護保険の運用については種々論議されていますが、大きな医療制度の改革が進展しつつあります。
医療と福祉サービスにおいてその資源を効率よく活用し、保健サービスも含めたそれぞれの領域を,いかに包括的なシステムとして確立していくかが、問題を解決していく上で最も重要な事がらになります。看護職はこの変革において、オ-ケストラにおけるコンサートマスターのような役割を担うことを期待されているのではないでしょうか。
高度医療ならびに高齢化に伴う医療施設の増加から看護職の人員不足が大きな社会的関心を呼びましたが、数だけでなく質の高い看護サ-ビスを提供できる人材が求められています。最近話題となっている医療過誤をなくす上でも、自己の職能に自信と誇りを持ち、常に専門職として自己研鑽し、他の専門家から熱い信頼が寄せられるように努力することが今まで以上に必要となってきました。
これらの活動の一環として、多くの看護系の研究会や学会が設立されて看護職の専門性の確立という視点から活発に活動が展開されてきています。しかしながら,他の保健・医療・福祉の専門家と同じ立場で連携して問題を取り上げていくような学会活動は少なく,広い視野で看護職の専門性を再構築していくことが急務と考えられます。
全国の各都道府県に、一校以上の看護系大学が設立されてきていますが、大学卒の看護職が十分に力を発揮できるような医療・福祉現場の体制も、まだ未整備な状況にあるといえましょう。また、これからの社会保障制度改革の中で有能な人材をどのようにして教育し、他領域の専門家との協調体制の確立や臨床現場の研修・教育ならびに研究体制を強化していくかなど、看護系大学に課せられた課題も山積しています。
このような現状認識に立ち、日本看護医療学会は、看護学及び関連するすべての学問分野が結集して相互の知識を体系化し、国民が安心して利用できる包括ケアシステムの確立と健康増進に寄与することを目的として設立されました。
来るべき21世紀に向けて船出した日本看護医療学会が、荒波にもまれながら学際的に包括ケアやチームケアのあり方について研究し、お互いの理解を深めて学びあう場として発展することを願ってやみません。学会雑誌には、健康問題に関わるすべての専門職の方々からのご投稿をお待ちしています。
日本看護医療学会 理事長
三河内 憲子(みこうちのりこ)
平成17年4月、石黒彩子初代からの前理事長のあとを引き継ぎ、日本看護医療学会第3期理事長に就任いたしました。早いもので、理事長に就任して1年余りが経過いたしました。ここに会員の皆さまにひと言ご挨拶申し上げます。
急速に進む少子・高齢社会の中で、医療費をはじめとする医療制度改革の取り組みが、なされていますが、深刻化している課題の解決、医療の質の向上のためには、専門分野の開発と合わせて保健医療福祉の連携が不可欠であります。
日本看護医療学会は、看護及び関連するすべての学問分野を結集して相互の知識を体系化し、国民が安心して利用できる包括的ケアシステムの確立と健康増進に寄与することを目的として、平成11年(1999年)10月に設立されました。現在7年目を迎え、会員数は300名を越え、会員も全国に広がって活動の輪が拡大してきました。その間の活動をみますと、学術集会の開催は次のとおりです。第1回(1999年):石黒彩子会長(名古屋大学)、「アレルギー看護からケアシステム構築へ」、シンポジウム「看護の知の創造」、第2回(2000年):西尾和子会長(藤田保健衛生大学)、「老年者を理解するシミュレーションゲームの実際と効果」、シンポジウム「高齢福祉時代の看護の役割」、第3回(2001年):高橋照子会長(愛知医科大学)、「実践と教育の連携をめざしてー看護・看護教育の変遷と展望からー」、シンポジウム「実践と教育の連携をめざして」、第4回(2002年):西垣 克会長(静岡県立大学)、「知識創造経営におけるリーダーシップ」、シンポジウム「看護職は鏡にどのように映っているかーとりまく人々を鏡としてー」、第5回(2003年):山口桂子(愛知県立大学)、「社会貢献につながる看護学と看護学研究であるために」、シンポジウム「「看護」を解き明かすためにーあなたはなぜその方法を用いるのですか?-」、第6回(2004年):櫻庭 繁会長(京都大学)、「高度先進医療と看護の役割」、シンポジウム「高度先進医療と看護の役割」、第7回(2005年):渡邉憲子会長(名古屋大学)、「看護におけるQOL評価の課題と今後の展望」、シンポジウム「健康障害のある人のQOLと今後の課題」でした。そして第8回(2006年)は、大津廣子会長(岐阜大学)により開催予定です。
また、本学会で力を入れております学術誌は、学会設立の年に渡邉憲子編集委員長を中心に創刊され、玉里八重子委員長、そして現在、浅野みどり委員長のもとに年2回の発刊が継続され、8巻1号を発行する予定です。皆さまのお力で年々投稿数も増え、嬉しい悲鳴をあげております。当初の方針を踏まえて、総説には、看護・医療に関する広い知見と関連分野の連携を深めるために医学、福祉・社会・栄養学などの専門家にご執筆をお願いし、また論文は、研究初心者を含めた多くの人に発表の場を提供して、会員の皆さまのよりいっそうの研究活動に期待するものです。皆様と共にこの学会を発展させましょう。
最後に、私事で恐縮ですが任期中に改姓(渡邉から三河内に)をいたしましたことをご報告させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
日本看護医療学会 理事長
梶田 悦子(かじたえつこ)
平成20年(2008年)4月、三河内憲子前理事長の後任として引き継ぎ、日本看護医療学会第4期理事長に就任いたしました。会員の皆さまにひと言ご挨拶申し上げます。
日本看護医療学会は、看護及び関連する学問分野を結集して相互の知識を体系化し、国民が安心して利用できる包括的ケアシステムの確立と健康増進に寄与することを目的として、平成11年(1999年)10月に設立されました。平成18年(2006年)には、学会員による専門領域を超えた有機的連携の推進を目指した「子どもと家族のケア」部会が設置され、平成20年(2008年)には、匿名会員のご寄付を基に本学会の趣旨を達成するために、看護、医療ならびに福祉に関連する諸分野の実践・教育に関する調査・研究を助成する研究助成金の制度を設けました。平成21年(2009年)には設立10周年を迎え、会員数は360人余で全国に広がっています。設立以来、本学会は、看護医療科学の研究拠点として、会員とともに歩んで参りました。この10年間の学会の具体的活動としてメインテーマをみますと、第1回(1999年):石黒彩子会長(名古屋大学)、「アレルギー看護からケアシステム構築へ」、第2回(2000年):西尾和子会長(藤田保健衛生大学)、「老年者を理解するシミュレーションゲームの実際と効果」、第3回(2001年):高橋照子会長(愛知医科大学)、「実践と教育の連携をめざしてー看護・看護教育の変遷と展望からー」、第4回(2002年):西垣克会長(静岡県立大学)、「知識創造経営におけるリーダーシップ」、第5回(2003年):山口桂子会長(愛知県立大学)、「社会貢献につながる看護学と看護学研究であるために」、第6回(2004年):櫻庭繁会長(京都大学)、「高度先進医療と看護の役割」、第7回(2005年):渡邉憲子会長(名古屋大学)、「看護におけるQOL評価の課題と今後の展望」、第8回(2006年)は、大津廣子会長(岐阜大学)「医療従事者の熟練形成にむけて-そのインセンティブをさぐる-」、第9回(2007年)は足立はるゑ会長(中部大学)、第10回(2008年)は、渡邉順子会長(聖隷クリストファー大学)「看護職の自律-専門職としての向上への道-」となっております。このように、看護の立場で変動する社会や医療情勢を踏まえ、多くの社会的見解を視野に入れた研究や実践について、関連する学問領域と多元的に交流すること、さらに、看護・医療・福祉・教育といった各分野の相互協力によって健康づくりを進め、その協力関係の中で看護・医療問題を考えていくという構想に積極的に取り組んできました。
設立以来10年間で、学会の趣旨を達成するために、その具体化が現在進行しつつあります。急速に進む少子・高齢社会の中で、医療制度改革の取り組みがなされていますが、深刻化している課題の解決、看護医療の質の向上のためには、専門分野の開発と合わせて看護・保健・医療・福祉の連携が不可欠です。看護・医療をしてそのリーダーシップを発揮させるともに、更なる発展を実現し、その成果の社会への積極的な還元を実現しようというもので、大きな知的資産を蓄積してきました。
また、本学会学術誌は学会設立から年2回の発刊が継続されています。皆さまのお力で年々投稿論文数も増え、嬉しい悲鳴をあげております。当初の方針を踏まえて、総説には、看護・医療に関する広い知見と関連分野の連携を深めるために医学・福祉・社会・栄養学などの専門家にご執筆をお願いし、また論文は、研究初心者を含めた多くの人に発表の場を提供して、会員の皆さまのより一層の研究活動に期待するものです。
日本看護医療学会 理事長
渡邉 順子(わたなべ よりこ)
梶田悦子前理事長の後任として平成23年(2011年)4月より,日本看護医療学会第5期理事長に就任いたしました渡邉順子(わたなべよりこ)と申します.
このたびの大震災に際しまして,亡くなられた多数のみなさまのご冥福を心よりお祈りし,謹んでお悔やみを申しあげますとともに,罹災されたみなさまに心よりお見舞い申しあげます.
本学会は,看護学はもとより医療科学の研究拠点として平成11年(1999年)10月に名古屋大学に事務局を置き,産声を上げました.当時,名古屋大学に在職しておりましたことから,学会の立ち上げから微力ながら一学会員として協力して参りました.
聖隷クリストファー大学に異動後の平成20年(2008年),第10回日本看護医療学会を初めて浜松で開催することができました.学会テーマは,変化の激しい看護と看護学を冷静に考えるために「看護に求められる現状分析の技術―Physical Logical Technical」とし,貴重な機会をもつことができました.
学会設立12年目の節目を迎えたいま,学会事務局を名古屋から浜松に移転させ,心機一転,新たなステージに踏み出すことになりました.事務局移転に伴うご不便をおかけすると思いますが、しばしご容赦願います。
社会が混沌とし,看護・医療に関する深刻な課題が山積するなか,本学会が果たすべく使命を具現化するために,看護・医療の集学的連携を基盤とした研究活動を積極的に応援していきたいと思っております。
日本看護医療学会 理事長
渡邉 順子(わたなべ よりこ)
麗春の候、みなさま方にはますますご清祥のことと、お慶び申し上げます。
平素は、日本看護医療学会に格別のご高配を賜り、心よりお礼申し上げます。
2011年4月に第5期理事長に就任し、昨年の理事・評議員の改選に伴い第6期理事長に再任されましたこと、改めて身が引き締まる思いです。
日本看護医療学会は、1999年に第1回学術集会を名古屋で開催して以来、今年は第17回学術集会を福井で開催するに至りました。学会員の動向も前期就任時には450人程度でしたが、昨年には700人弱に及び徐々に認知度が高まりつつあります。
学会雑誌への投稿論文数も増加傾向にあり、年2回の発刊は順調です。
研究助成においては、篤志家の方によるご寄付を基金として、主には若手研究者に毎年2件程度の研究支援が継続され今後に期待したいものです。
看護・医療に関する深刻な課題解決に向けて,本学会が果たすべく使命、すなわち看護・医療に関わる人々の幸福を具現化するために,集学的連携を基盤とした研究活動を 少しずつ、丁寧に取り組んでいきたいと考えております。
今後とも、ご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。
日本看護医療学会 理事長
浅野 みどり(あさの みどり)
陽春の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。 平素、会員のみなさまには学会運営にご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
第5期・6期の理事長としてご尽力いただきました渡邉順子先生の後任として、第7期(平成29年度~31年度)の理事長を拝命いたしました浅野みどり(名古屋大学)と申します。
日本看護医療学会は、1999年3月に学会設立発起人会発足、同年10月学会設立集会を開催してから、今期(第7期)中には設立20年の節目を迎えます。この時期に、学会事務局が名古屋大学に再び戻りましたことも何かの御縁を感じております。初代理事長石黒彩子先生の就任の挨拶を振り返りますと「他の保健・医療・福祉の専門家と同じ立場で連携して問題を取り上げていくような学会活動は少なく,広い視野で看護職の専門性を再構築していくことが急務と考えられます。(中略)日本看護医療学会は、看護学及び関連するすべての学問分野が結集して相互の知識を体系化し、国民が安心して利用できる包括ケアシステムの確立と健康増進に寄与することを目的として設立」とあります。チーム医療・地域包括ケアが必須となった今こそ、改めてその意味を問い直しつつ、微力ながら学会運営をすすめてまいりたいと存じます。看護のみならず、保健医療・福祉の分野の会員が幅広く活動していただけるよう努力していく所存ですので、会員のみなさまには、今後とも更なるご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
2017年(平成29年)年4月1日
日本看護医療学会 理事長
浅野 みどり(あさの みどり)
2020年度はCOVID-19の猛威で、思いもかけない幕開けとなりました。
医療機関や地域のケア施設等で臨床・地域の最前線にいらっしゃる医療職・福祉職のみなさまは、日々大変な状況の中で職務にあたられていらっしゃることと存じます。また、大学等の教育現場においても、卒業式や入学式は中止となり、その後4月16日夜に緊急事態宣言が全国に出されたこともあり、講義授業はすべて禁止となりICT対応や延期を余儀なくされています。病院・地域での実習は未だ再開の目途が立たない状況にあります。
4月18日には日本看護系学会協議会(JANA)から、緊急メッセージ「医療崩壊を防ぎ、人々の命と尊厳を守る」ためにが出されました。本学会もJANAの会員学会であり、HPにリンクしていますので、ぜひご一読ください。
今、パンデミックの恐ろしさを感じつつ、世界中の人々が不安と闘っています。看護職は最前線で重症者のケアや感染拡大の防止に疲弊しながらも努めてくださっていますが、残念ながら多数の院内感染も起こっています。大変な非常時ではありますが、今こそ看護の力を世界に! との思いも強くなります。苦難の幕開けではございますが、第8期の役員一同、会員のみなさまと共に、本学会の設立趣旨である「看護学及び関連するすべての学問分野が結集して相互の知識を体系化し、国民が安心して利用できる包括ケアシステムの確立と健康増進に寄与」できるよう、邁進してまいりたいと存じます。ご支援・ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
2020年(令和2年)4月1日